私は、学生時代に愛用していた一眼レフカメラとレンズにカビを生やしてしまい、再起不能にさせた思い出があります。
久し振りに出して使おうと思ったら、カメラ全体が真っ白!
原因は、使ったあと手入れもせずに押入れにしまい込んでいたことです。
ちょうど梅雨のジメジメした時期だったのと、風通しが悪く湿気やすい場所に置いていたことがまずかったようです。
それ以来、カメラの使用後の手入れと保管にはとても気を使っています。
カメラ保管上の注意点
使用後は必ず手入れを
カメラを使った後は、表面に汗や油分、ホコリなどが付着しているので、清潔な布で全体をていねいに拭き、レンズ表面、ファインダー、ボディの隙間などは、ブロアーブラシでホコリを取り除きましょう。
レンズ面が汚れているときは、専用のクリーニングペーパーにクリーニング液を少量つけて、やさしく拭き取りましょう。
カメラバッグに入れたままにしない
撮影から帰ったら、すぐにカメラバッグから出しましょう。
バッグの中は通気性がないので、特に湿度が高いとカビ発生の危険性が高くなります。
カメラやレンズごとに保護ケースに収納している場合も、全てケースから出しましょう。
そして、すぐに使わない場合は、手入れ後に防湿保管庫や防湿ケースで保管しましょう。
保管は適正湿度を保つこと
カメラを保管するときの適正湿度は40%前後と言われています。
湿度60%を超えるとカビが発生しやすくなります。
また、逆に湿度が低すぎるとゴムの劣化や可動部のオイル切れを引き起こします。また、乾燥によりバルサム切れが起きることがあります(バルサム切れ:貼り合わせてあるレンズの表面にムラがおきる現象)。
以上のことから、湿度は常に40%前後で一定に保つ必要があります。
長期間使わないときも、たまに触ってみる
カメラをカビから守るためには、通気性の確保も重要です。また、シャッターやフォーカスリング・ズームリングなどの可動部は、たまに動かしてあげないと、動作不良の原因にもなります。
カメラやレンズを長い間使わない場合は、たまには保管庫から出して動作させましょう。
カメラは常に使っていると、カビなど生えないものです。
安心保管には電気式の防湿保管庫がおすすめ
カメラの保管方法は、防湿保管庫、簡易ドライボックス、ジップロックなど、いろいろな方法がありますが、電気式のしっかりした防湿保管庫をおすすめします。
おすすめする最大の理由
それは、コストパフォーマンスです。
「えっ、防湿保管庫は値段が高いのでは?」と思われた方もいるでしょう。
そうです、値段が張ります。しかし、コスト以上に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれるので、総合的に見ると、コストパフォーマンスが最も高い保管方法だと思うのです。
カメラやレンズにカビを発生させてしまうと、自分では除去できないため、高額の修理費がかかります。また、一度発生したカビの胞子は完全に除去することは不可能といわれています。カメラやレンズはもともと高価なものなので、その損害額は計り知れません。
それを考えれば、防湿保管庫に掛ける費用など安いものです。
防湿保管庫のメリット
湿度を一定にコントロール
これが最大のメリットです。
他の保管方法と違って、いちいち適正湿度を調節する必要がありません。
庫内に湿度調節ツマミがあり、自由に湿度を設定できます。
また、常に現在湿度を表示窓で確認することができます。
保管しやすい構造
保管庫の中は引出し棚になっていて、整然と並べて保管することができて、取り出す時も楽です。
インテリア性
前面がガラス張りになっていて、オーディオラックのような気品があります。
中が良く見えるため、機材が増えてくれば、いつも眺めてはカメラの所有欲を満たしてくれること間違いなしです。
購入時のチェックポイント
湿度計
湿度計は、必ず見やすい位置に付属しているものを選びましょう。湿度設定が間違っていたり電源コードが抜けていたりして、適正湿度になっていないときは、すぐに気付かなければいけません。
デジタル式・アナログ式のどちらでも構いませんが、視認性の良いものがベターです。
サブコンセント
コンセントが付属していれば、バッテリーの充電などに便利です。
光触媒機能
メーカーによっては、光触媒機能が備わっている保管庫があります。光触媒により、微小な不純物を分解・除去し、脱臭効果も期待できるようです。
あえて大き過ぎるサイズを買うべし
一眼レフを愛用している方は、知らず知らずのうちに、交換レンズなどいろいろな周辺機器が年々増えてきます。
私も、最初は少し大きめの保管庫を購入したつもりだったのですが、5年もすると手狭になり、もう1台保管庫を追加購入する羽目になりました。
設置するスペースがあり、予算が許せるなら、極力大きなサイズの保管をを購入することをお薦めします。
最初はスカスカでも、カメラのほかにも湿度を嫌う物をどんどん入れておけます。
小型のものは2万円程度ですが、最も大型のものでも6~7万円程度で購入できます。レンズを余分に一本買ったと思えば、必ずそれ以上の活躍をしてくれるでしょう。