失敗しない一眼レフの選び方

各メーカーの一眼レフ

以前に、中高年の趣味として写真を楽しむためには、カメラは一眼レフがおすすめということをお話ししました。

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いろいろなカメラ

このページでは、最初に一眼レフを購入するにあたって、失敗しない選び方をお話ししたいと思います。

 

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一眼レフを選ぶ着眼点

 

主なスペックの考え方

一眼レフには様々な機能が備わっていますが、ここでは、特に注意すべきスペックに絞ってお話しします。

センサーサイズ

カメラのイメージセンサー

センサーサイズ(撮像素子の大きさ)は、大まかに分けると、フルサイズAPS-Cサイズに分けられます。
フルサイズはAPS-Cサイズの2倍強の面積があります。

それでは、両者の違いを簡単に説明します。

画角が異なる。

同じレンズを装着した場合、APS-Cサイズはフルサイズの約1.5倍の画角になります。
このことから、単純に考えれば、フルサイズは広角撮影に有利で、APS-Cサイズは望遠撮影に有利ということが言えますね。

ぼけ量が異なる。

ぼけ量の話はちょっと難しいのですが、まずレンズの話をします。
レンズ自体は、焦点距離の短い広角レンズより焦点距離の長い望遠レンズの方が前後がぼけやすいです。
ということは、フルサイズでAPS-Cサイズのカメラと同じ画角の画像を得ようと思えば、1.5倍の焦点距離のレンズを装着しなければなりません。
その結果、フルサイズの方が単純にぼけやすいのではなく、同じ画角の写真を考えた場合、レンズの違いによってフルサイズの方がぼけ量が大きくなるということです。

ぼけ表現の有利なフルサイズ機は、マクロ撮影やポートレート撮影向きということになります。

フルサイズは階調表現が豊か

同じ画素数と仮定した場合、フルサイズの方がAPS-Cサイズより1画素が受けることのできる光の量が2倍以上もあるので、受ける情報量が多いということが、階調豊かでダイナミックレンジの広い画像が得られるということになります。

フルサイズは暗いシーンに強い

前記と同じ理由で、フルサイズは受ける光の量が多いので、暗い場面に有利だと言えます。

フルサイズは使用するレンズが限られる

下記の画像のように、フルサイズのカメラにAPS-C専用レンズを装着した場合、撮った写真の周囲にケラレが生じます(もともと装着できないレンズもあります)。
レンズのケラレ

一方、APS-Cサイズのカメラにはフルサイズ用のレンズが装着できます(この場合、画角が1.5倍になります)。

 

以上のように、センサーサイズによる違いがありますが、概していうと、フルサイズ機の方が画質がいいが、値段が高いということです。
また、フルサイズ機はレンズを選びます。さらに、フルサイズ用レンズも口径が大きくなるため一般的にAPS-Cサイズ用レンズよりも高価です。

結論として、センサーサイズのみにとらわれることなく、撮影するシチュエーションにより判断することが望ましいと思います。

シャッタースピードの上限

シャッタースピードの上限は、初級機では1/2000秒、高級機では1/8000秒といったところでしょうか。

カメラのシャッターダイヤル

シャッタースピードが速いほど動く被写体に有利だと思います。
ただし、スポーツ撮影など動く被写体を止めて撮影するためには、特別なシーンでない限り、1/2000秒でも十分です。
その意味では、わざわざシャッタースピードの速い高級機を買う必要はないと思います。

シャッタースピードの上限が問題になるのは、実は動体撮影時ではなく、露出限界が生じた時です。
例えば、ポートレートやマクロ撮影を行う場合、被写体の前後をぼかすためにレンズの絞りを開けますが、晴天の屋外ではシャッタースピードの上限に達しても明るすぎて撮影できない場合があります。そいういった場合は、仕方なく絞りを絞るか、NDフィルターを使って明るさを調整しなければなりません。そんなとき、シャッタースピードの上限が高いと助かります。

測距点

測距点とは、「フォーカスポイント」や「AFフレーム」ともいい、オートフォーカスでピントを合わすことができる撮像エリア内のポイントのことを言います。

カメラのAFフレーム

安いカメラでも、中央エリアの1点には必ずあり、高級機になれば、エリアの隅々に測距点があります。

測距点が多いほど、構図のどこにでもピントを合わせることができるようになり、また、動く被写体を撮影する場合も、少々被写体が中心を外れてもオートフォーカスが被写体を追随してくれて、ピントを外すことが少なくなります。

測距点が多いほど、ピントを合わせやすくなりますが、カメラ自体が高価になります。

ちなみに、私は風景写真を主に撮影しているので、オートフォーカス性能は重視していますが、測距点の多さは気にしていません。

手振れ補正

最近のカメラは、かならずと言っていいほど手振れ補正機構が備わっています。

カメラの手振れ補正機構

最近のカメラはどんどん高画素になり、少しの手振れも画像に影響するので、手持ち撮影の場合は特にこの機能は必要ですね。

ここで注意しなければならないのは、手振れ補正の形式には2パターンあって、カメラ側で制御する方式と、レンズ側で制御する方式です。
カメラ方式だとレンズを選ばないわけですが、レンズ方式だと対応レンズが割高になるので、レンズ本数が増えると考えてしまいますね。

ただし、レンズ方式は、シャッターを切る前にファインダー内で手振れ補正された画像を見ることができますが、カメラ方式はそれができません(ライブビュー液晶で確認する場合はカメラ方式でも可能ですが)。

ISO感度

ISO感度とは、光をとらえる能力のことを意味しており、標準感度は100で、その値が上がるほど高感度になり、光量が少ない暗いシーンでも記録することができます。

カメラのISO設定

撮像素子やカメラ内の画像処理技術の進歩により、ISO感度の上限が年々伸びてきおり、最近では設定可能な最高感度が1万を超えるカメラもめずらしくありません(2019年現在)。

私の若い頃はフィルムカメラしかなく、ISO規格もASAという呼び名だったのですが、一般のフィルムはASA100で、暗い室内用にASA400のフィルムが使われていました。それ以上の感度は特殊撮影用で、今のような1万を超えるような感度のフィルムは存在しませんでした。
そのころを考えるとまさに革命的な出来事です。

設定できるISO感度の上限が大きいほど室内や夜景などあらゆるシーンに対応しやすいといえますが、感度が高くなるにつれ画質が低下しますので、カメラを選ぶときはそのことも考慮に入れて判断する必要があります。

レンズ

レンズいろいろ

初めて一眼レフを購入するときは、ほとんどの方がレンズとのセットモデルを選ばれると思います。
その方が、レンズと別々に購入するより割安になりますし、メーカーがカメラ本体に合ったレンズを選んでくれているので安心ですよね。

セットレンズから選ぶにしても、レンズを別に購入するにしても、最初の1本は、広角から中望遠まで撮影可能なできるだけ高倍率のズームレンズをおすすめします。
いろいろな撮影シーンに対応するためには、最低でも焦点距離が広角側が28ミリで望遠側が150ミリ程度は必要かと思います(焦点距離はフルサイズ換算)。
Wズームレンズのセットモデルもありますが、2本を併せてこの焦点距離がクリアできればOKです。

私の経験上、腕が上達してきたら、さらに性能の良い高級レンズが欲しくなるでしょう。
口径が大きく明るい高級レンズは、単焦点かズーム倍率が小さいレンズばかりなので、最初に高倍率ズームレンズを購入しておくと、レンズを買い足したときも焦点距離が重複することが少なく、用途に応じて使い続けることができます。

 

あると便利な機能(私の実体験)

タッチパネル液晶

タッチパネル液晶

最近は、一眼レフでも液晶がタッチ式のものが増えてきました(なぜか高級機には少ないですが)

私もタッチ式のカメラ(Canon EOS 6D MarkII)を愛用していますが、これが超便利です。

機能選択が楽

これまでのカメラは、コマンドダイヤルや十字キーなどを駆使して機能選択していましたが、今は液晶画面に表示された機能をタッチするだけなので、階層の深いところにある機能でも数タッチで素早く選択することができて、超快適です。

フォーカス移動も簡単

ライブビュー撮影時は、ピントを合わしたい場所をタッチすれば、瞬時にそこにフォーカスポイントが移ってくれて、おまけにタッチシャッター機能を使えば、ついでにシャッターまで切ってくれて、ストレスフリーです。(EOS 6D MarkIIの場合です)

可動式モニター

バリアングル液晶
バリアングル液晶とも言いますが、液晶を上下左右に傾けることができるので、マクロ撮影などは今まで屈んだり寝そべったりして構図を決めていましたが、この可動式モニターのおかげで、カメラだけを動かして撮影できるようになったので、とても快適です。

それ以来、さまざまな構図の写真が増えて、テクニックが上達したような気分です。

ISOオート

カメラのISO設定

ISOオートとは、絞りとシャッタースピードを決めると、それに伴ってカメラが適正露出になるようISO感度を調整してくれる機能のことです。

今までは、例えば、風景写真は絞り優先モード、スポーツ写真はシャッタースピード優先モードで撮影していましたが、最近では、ISOオートを利用することが多くなりました。

前提条件として、ISO感度の設定範囲が広く、高感度になっても画質低下が少ないカメラであることが必要ですが、絞りとシャッタースピードの両方を簡単に操ることができ、シチュエーションによってはたいへん重宝します。

フリッカーレス撮影

蛍光灯の光は、一定間隔の周期で明滅しています。このちらつきを「フリッカー」といいます。
室内撮影である程度以上のシャッタースピードでシャッターを切ると、このフリッカーの影響で、露出や色にばらつきが出たり、露出ムラが生じたりすることがあります。

カメラによっては、シャッターボタンを押したときにカメラがタイミングを自動的に調整してフリッカーの影響を受けない瞬間を待ってシャッターを切ってくれる機能があります。

フリッカーレス設定

室内撮影の時には、この機能があると心強いです。

 

惑わされやすい知識

画素数は多いほど良い?

私は、カメラの選択条件の中に「画素数」は入れていません。
昔のカメラと違って、今は、入門用のカメラでも、画素数は1000万画素以上もあります。

同じセンサーサイズでは、画素数が増えるほど1画素単位の受光量が減って、それだけ画質が悪くなります。
だから、私は、どちらかといえば、画素数は少な目で、センサーサイズの大きいカメラを選択の基準にしています。

視野率は100%がいい?

よく「視野率が100%でないのが不満」と言われます。

そりゃ、ファインダーで覗いた画像と実際の写真が同じイメージになるに越したことはありません。
でも、最近のカメラは視野率が98%以上のカメラがほとんどです。しかし、この2%の差以上にカメラの価格差があります。

私がこれまで使ってきたカメラは、どれも視野率100%のものはありませんでした。
それでも、実用上は不満を感じたことは一度もありませんでした。
ファインダーで覗いたときには見えなかったものが実際には写っているはずですが、気になればパソコン上でトリミングすればいいことですので、致命的な問題ではありません。

測距点は多い方がいい?

測距点が多いカメラ=高価なカメラという図式があります。

私は、ほとんど中央1点の測距点でピントを合わせています。
被写体が中央にないときは、被写体にカメラを向けてシャッター半押しでピントを合わし、そのままカメラの向きを戻してからシャッターを切っています。
この場合「コサイン誤差」といって、被写体との角度差で微妙にカメラとの距離が変わってピントがずれることになりますが、私の場合は風景写真が中心で、被写体との距離があるため、コサイン誤差はないに等しいです。

なので、何が何でも測距点の多い高価なカメラを選ぶのではなく、撮影目的に応じて判断すべきです。

鉄道写真、航空写真、スポーツ写真など、常に被写体が動いている場合は、測距点の多いカメラが必要でしょうね。

フルサイズ一眼がいい?

私は、フルサイズ派です。
その理由は、APS-Cサイズのカメラからフルサイズのカメラに変えた時の、あの空気感までも写し取るような表現力に衝撃を受けたのが、ことの発端でした。
「フルサイズ機を所有したい」という見栄もちょっとばかりあります。(^^ゞ

しかし、画質はセンサーサイズだけで決まるものではなく画素数レンズ性能カメラ内の処理能力などによっても左右されます。
また、APS-Cサイズカメラの利点として、フルサイズに比べ小さく軽い、比較的レンズが安く作れる、望遠側に有利などがあげられます。

要は、センサーサイズにこだわらず、撮影目的によって判断をすべきですね。

私は、たまに野鳥撮影にも出かけますが、これが主目的なら、迷わずAPS-Cカメラを選択していました。

将来性を考える

カメラと交換レンズ

一眼レフは、レンズ資産が命と言っても過言ではありません。

カメラの趣味を続けていると、知らない間にどんどんレンズ資産が増えていくものです。

また、高級なレンズになると、カメラ本体の価格をはるか超えてしまします。
長い目で見れば、カメラ本体は少々高級なものを購入しても、レンズを含めた全体の出費からすると微々たるものかもしれませんね。

良いレンズは、時代が変わっても陳腐化されることは少ないです。
だから、カメラ本体と違って、愛用のレンズを長期間使い続けることが可能です。
しかし、レンズはメーカーごとにマウント形状が異なっているため、他のメーカーのカメラに取り付けることができません
ということは、最初に買ったカメラがいかに重要かということです。
後々、必ずカメラ本体がレンズ資産に引きずられることになります。

将来性を考えて最初のカメラを購入するのは難しいかもしれませんが、後で後悔しないよう十分検討しましょう。

私は、キャノン派です。
キャノンのまわし者ではありませんが、最初に買ったデジタル一眼がたまたまキャノン製だったため、レンズ資産が増えるにつれ、キャノンから離れられなくなってしまったわけです。

また、最近は一眼レフに代わってミラーレス一眼が台頭してきました。
各メーカーもミラーレス一眼の開発に重点を移し、近いうちに一眼レフは一部のマニアだけのものになってしまうでしょう。
しかし、私は、趣味としての一眼レフの魅力はこれからも生き続けると思っています。

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長々とお話ししましたが、最終的には、自分の撮影目的に合ったカメラを選ぶべきでしょう。

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