撮影目的に合った一眼レフ選び

どんなスペックの一眼レフを選択すればよいか
それを決定する基準は、主にどんな被写体を撮影するかによって変わってきます。

それでは、撮影目的別に必要なカメラのスペックについて考えてみたいと思います。

 

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風景写真が中心なら

斐伊川の風景

光と影の微妙な描写や色彩の忠実な再現が必要なので、階調豊かでダイナミックレンジの広い画像が要求されます。
また、細部の緻密な描写も必要で、大伸ばしで印刷して作品として飾ることも考えれば、それに耐えられる画質が求められます。

そうしたことから考えると、センサーサイズが大きくて階調表現に余裕のあるフルサイズ一眼レフが良いでしょう。

風景写真は動きが少ないので、連写性能やAFの追随性能などの機動性は必要ありません。

とにかく画質重視で選びましょう。

スポーツ写真、航空写真、鉄道写真が中心なら

疾走する蒸気機関車

風景写真とは逆に、動体撮影に適したカメラが必要です。
連写性能やAFの追随性能が優れているカメラが良いでしょう。
AFの追随性能は、測距点の多さとフォーカス移動の速さがカギになります。

また、使用するレンズは望遠レンズが主になりますが、明るくAFスピードの速いレンズが最適です。

カメラ本体にしろレンズにしろ、動体撮影に適した機能を突き詰めればとても高価になるので、予算との兼ね合いが問題ですね。

それほど画質にこだわりがなければ、センサーサイズが小さい方が望遠側に有利なので、フルサイズよりAPS-Cサイズのカメラの方が良いでしょう。予算も少しは抑えられると思います。

野鳥を撮りたいなら

カワセミ

スポーツ写真に準じたレベルの動体追随性能が必要です。
また、遠くの野鳥を撮るケースが多いので、超望遠レンズを用意する必要があります。
最低でも500ミリ以上の超望遠レンズがないと満足のいく野鳥写真を撮ることは難しいでしょうが、とても高価になります。

私が野鳥写真を趣味にしていた頃は、高価な一眼レフはあきらめて、フィールドスコープにコンパクトデジカメを接合して撮っていました。
コリメート法といっていうやつです。俗に「デジスコ」とも呼ばれていました。2000ミリを超える望遠倍率の機器構成が割と安く手に入り、画質も思ったほど悪くなかったので、お気に入りでした。

とにかく資金に相当の余裕がなければ、一眼レフで満足のいく野鳥写真を撮ることは難しいと思います。

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フィールドスコープにカメラを取り付けた写真

山岳写真を撮るなら

雲の中の剱岳

ただでさえ重い荷物を背負うことになるので、軽くて丈夫なカメラが理想ですね。
悪天候に遭遇することも考えて、防塵防滴耐衝撃の性能を持ったカメラが安心です。
レンズも何本も持っていけないので、高倍率ズームレンズが1本あれば重宝します。

画質を極めようと思えば、どうしても機材が重くなるので、どこで折り合いをつけるかが悩みどころです。

私も以前は一眼レフを背負って山に登っていましたが、疲れるだけで全く楽しめなかったです。それでは本末転倒なので、今ではもっぱらコンパクトデジカメが山のお供です。

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CSANON Powershot G7X

天体写真を撮りたいなら

ブラッドムーン

天体望遠鏡にでも接続しない限り、星雲や惑星などは撮ることができないので、カメラ単体ではもっぱら天の川など星空全体を撮ることになります。

星の光は微弱なので、高感度でかつ長時間露出に耐えうるカメラが理想です。
ISO感度を上げたり長時間シャッターを開けたりすれば、必ず画像にノイズが乗ってくるので、レンズはできるだけ口径が大きく明るいものを選び、カメラ本体もノイズに強いものを選択しましょう。

地球の自転により星は少しずつ動いているので、星の動きに追従して精密な天体写真を撮るためには、天体望遠鏡のほかに赤道儀も必要です。
完璧に機材を揃えるとなると、自動車が1台買えちゃいますね。

家族のスナップが中心なら

犬と子供

家族写真は、そこまで画質を突き詰める必要がないと思います。また、家族のスナップ写真と言えば、旅先で撮ることが多いでしょうから、軽量小型の初級クラスの一眼レフで十分ではないでしょうか。(それならコンパクトデジカメでいいのでは・・・私もそう思います(笑))

女性のポートレート写真のように被写体を浮き立たせて魅力的に撮る場合は、レンズにこだわる必要があります。
被写体をシャープに、そして周囲のボケ方がきれいに、それなら明るい単焦点レンズです。

赤ちゃんやペットを撮る場合は、シャッターチャンスが限られるので、とにかく素早くピント合わせができるカメラがいいです。
それと、カメラを低い位置で構えるシーンが多くなると思いますので、可動式液晶を備えたカメラが便利ですね。

コンテストに応募するなら

写真コンテスト風景

どんなジャンルの写真を応募するかで求めるカメラの選択は変わってきます。

でも、コンテストで入賞している作品を見ると、それは撮影者の感性であったり、運よくシャッターチャンスの巡り合った瞬間であったりで、カメラのスペックはあまり関係がないですね。審査員に訴えかける写真を撮ることができるなら、スマートフォンの内蔵カメラでも十分だと思います。

ただ、いくら腕が上達しても、画角やボケ味などはレンズで決まるので、ある程度レンズ選びにはこだわる必要があると思います。

カメラ選びで迷うよりも、たくさん写真を撮って感性を磨きましょう

 

今回は、撮影目的ごとに選ぶべきカメラのスペックについて、私なりの考えを述べました。

私たち中高年は、若い頃のように贅沢はできません。
だからこそ、カメラ選択はオーバースペックにならないよう気をつけて、写真ライフを思い切り満喫しましょう!