交換レンズの揃え方(一眼レフ)

レンズいろいろ

以前、中高年が趣味としてカメラを購入するなら一眼レフが最適とお話ししました。

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いろいろなカメラ

今回は、どのように交換レンズを揃えていけばいいのか、私なりの見解を述べたいと思います。

(注)私の撮影スタイルから考察した独断の意見ですので、悪しからず(^^ゞ

 

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まずは私のレンズ資産の変遷から

私は、現在、フルサイズ対応レンズばかり、合計9本のレンズを所有しています(2019.7現在)。
その間に5本のレンズを売却しましたので、実際には14本のレンズを購入したことになります。
贅沢だと思われるでしょうが、そのほとんどがヤフオクで程度の良い中古レンズを購入したもので、不要になったレンズもヤフオクで高値で売却しました。
それに、一部のカメラマニアが所有しているような高級レンズはほとんど持っていませんので、経費はそれほどかかっていません(といっても、高価な趣味であることは否めませんが)

それでは、最初は1本だったレンズが、どのように増えていったか回想してみたいと思います。

最初はキットレンズでした

Canon EOS Kiss Digital

私の最初のレンズは、中古のカメラ(Canon EOS Kiss Digital)に付属していた18-55mm F3.5-5.6の標準ズームレンズ(APS-C専用)です。
廉価版レンズですが、それまでのコンパクトデジカメとの画質の差に驚嘆し、当分はこれで遊ぶことができました。

次に広角側が欲しくなった

Canon EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM

カメラの新調(EOS 20D)に伴って、もう少し広角側の写真が撮りたくなり、10-22mm F3.5-4.5の広角ズームレンズ(APS-C専用)を購入

マクロが撮りたい

CANON EF 100mm F2.8 MACRO

次に欲しくなるのがやっぱりマクロレンズですよね。
そこで、100mm F2.8のマクロレンズを購入。ヤフオクで思いのほか安く手に入れることができました。
ボケ味が最高です!

鉄道やスポーツも撮りたくなった

SIGMA APO 70-200mm F2.8 DG HSM

そして、やっと望遠の世界に突入です。
ここで初めて口径が大きく明るい高級レンズを買うことにしました。
純正レンズはとても高価だったため、サードパーティ製(SIGMA)の70-200mm F2.8を購入
当時から特に望遠レンズでは主流であった手振れ補正付きではないため、さらに安く手に入れることができました。
(今から思えば、手振れ補正は必須だったと後悔していますが)

明るくコストパフォーマンスが絶大な単焦点の標準レンズも

CANON EF 50mm F1.8

持っておいて損はないと言われていた明るめの単焦点レンズ(50mm F1.8)をなんと6000円でゲット
(室内撮影やポートレートに活躍すると思うが、実際はあまり使っていない)

ポートレート用に明るい単焦点レンズも魅力的

CANON EF 85mm F1.2L USM Ⅱ

これはうれしい誤算でしたが、転売目的でヤフオクで落札した中古レンズが、あまりにも程度が良かったので、自分の物にしました。
このレンズのスペックは85mm F1.2で、とても被写界深度が浅く、人気の高い魔性のレンズです。
これを使って、我家のペットを撮影しています。(プロのような感動写真を量産!(^^♪)

このころには、カメラボディもAPS-C機からフルサイズ機に変わっていました。

1本で済ませられる高倍率ズームが便利

TAMRON 28-300mm F3.5-6.3 Di VC PZD

シチュエーションによっては、レンズ交換をする時間がなかったり、狭くてバタバタできなかったりで、シャッターチャンスを逃がしてしまうことが何度も続いたため、広角から望遠域まで1本でカバーできて、それでいて超コンパクトサイズの便利レンズを探していました。
少々画質には目をつぶって、まさに超コンパクトなサードパーティ製(TAMRON)の28-300mm F3.5-6.3を購入
ところが、画質も上々、絞りを開放近くにしたときのボケ味も良好で、マクロレンズがわりにもなり、とてもいい買い物になりました。

そして憧れの超望遠レンズ

TAMRON SP150-600mm F5-6.3 Di VC USD

航空ショーと野鳥撮影に一眼レフを使いたくなり、超望遠ズームレンズを物色しはじめる。
ところが、超望遠となるとどれもこれも超高価で、結局コストパフォーマンスの良いTAMRONの150-600mm F5-6.3を購入
このクラスではコンパクトなサイズなので、何とか手持ちでも撮影でき、普通のカメラバッグにも収容できて、グッドな買い物でした。

 

というわけで、カメラ本体をAPS-Cからフルサイズに移行する時点でレンズも若干更新しましたが、今では、私の撮影するシチュエーションでは、ほとんどのシーンで対応が可能です。

なお、今も70-200mmの望遠ズームレンズはF2.8とF4と明るさの異なる2種類のレンズを保有していますが、F2.8の方を売却する予定です。
よく「大三元レンズ」といって、広角・標準・望遠の各ズームレンズを高価で明るいF2.8レンズに統一することが一種のステータスになっていますが、私にはそんな高価で重いレンズは必要ありません。最近のカメラは高感度だし、ボケを強調するときも安くて明るい単焦点レンズで十分です。

単焦点レンズの魅力は?

フィルムカメラ全盛の昭和期の頃は、レンズと言えば単焦点レンズでしたが、レンズの製造技術の進歩につれて、ズームレンズの画質が向上した結果、現在ではズームレンズが主流になっています。
それにもかかわらず、あえて画角が固定された単焦点レンズを使うメリットはどこにあるのでしょうか。
それは、やはり今でもそのシンプルな構造から、画質が良い、明るい、軽い、安い、と4拍子揃ったレンズだからです。
その特性から、マクロポートレートの専用レンズは今でも単焦点レンズです。

日常の撮影にオールマイティな画角の標準レンズ(50mm)で、わりと明るめのもの(F1.8程度)を1本持っていれば、とても安価なのに良い仕事をしてくれること間違いなしで、私のおすすめです。

揃えるべき必須レンズは?

十分に写真の趣味を楽しむためには、最終的には次の交換レンズを揃えることをお薦めします。
(焦点距離はフルサイズ機を基本にしています。APS-C機の場合は2/3を乗じてください)

広角ズームレンズ
標準ズームレンズ
望遠ズームレンズ

上記3本のズームレンズが、日常撮影の基本となるレンズです。
焦点距離にして24mmから200mmまでをカバーできればいいでしょう。
さまざまなズーム倍率のレンズが売られているので、3本でなくても、広角から標準域のズームレンズと標準から望遠域のズームレンズの2本にしてもいいですし、思い切って全域をカバーする高倍率ズームレンズ1本でまかなってもOKです。
ただし、ズーム倍率が大きくなるにつれて、画質が低下する、開放F値が暗くなる、値段が高くなる、などのデメリットがあるので、撮影スタイルや予算等いろいろな条件を勘案して決定するといいでしょう。

マクロレンズ

植物昆虫など小さな被写体を撮影するためには必須のレンズです。
70mmから100mm程度の中望遠サイズのレンズが扱いやすいでしょう。

また、マクロ撮影以外にも流用できます。特にポートレート撮影には力を発揮するでしょう。

明るい単焦点レンズ

単焦点の標準レンズは、構造がシンプルなため、とても安価で購入できます。
そこで、ズームレンズ等では高価でとても買えないようなF値の小さい明るめのレンズを1本揃えておくと便利です。

室内撮影テーブルフォトポートレート撮影夜間のスナップ撮影など、撮影シチュエーションは意外と多いはずです。

あれば便利なレンズは?

高倍率ズームレンズ

レンズを交換する時間や場所がない場合は、このレンズを持っていると安心です。
私は、28-300mmのズームレンズを所有していますが、もう少し広角側が欲しかったと思っています。
ただし、高倍率になればなるほど画質や明るさを犠牲にする覚悟は必要です(私の経験では、そんなに目に見えて画質が落ちることはありませんでした)。

ポートレート用レンズ

被写体をシャープに、周辺のボケ味をきれいに、そういったプロ級のポートレート写真を撮りたいなら、画質や色乗りが良く、被写界深度が浅く、ボケ味の美しいレンズを持っておくといいでしょう(注:マクロレンズのようにポートレートレンズという名称の専用レンズはありません)。
焦点距離は標準から中望遠くらいの中で選ぶとよいでしょう。私は 85mm F1.2 の単焦点レンズがポートレート用としてお気に入りです。

超望遠レンズ

野鳥撮影では必須ですね。
月を撮ったり、航空機を撮ったりするときも便利ですが、その他のシーンでは活躍する機会はほとんどないでしょう。
それに、レンズの焦点距離が300mmを超えると急に高価になります。遠くの野鳥を捉えるためには1000mmくらいは必要かもしれませんが、各カメラメーカーでは800mmを超えるレンズは製造していないと思います。

ズームレンズと単焦点レンズのどちらかを選択するかは、撮影目的と予算によります。
当然、単焦点レンズの方が、画質、明るさ、予算に有利ですし、超望遠ともなると単焦点レンズしか製造していない場合も多いです。

まとめ

さあ、みなさん、いかがでしょうか。

カメラ本体と違って、良いレンズはいつまでも陳腐化することなく活躍してくれます。私が所有するレンズも、10年以上現役で活躍してくれているレンズがあります。それでも交換レンズは値が張るものなので、質の良い中古品を求めるのもひとつの方策です。

何はともあれ、一眼レフはレンズが命です。失敗しないよう慎重に選びたいですね。

レンズ沼にはまる」という言葉をよく耳にします。
レンズを揃えていくうちに、徐々に高価なレンズに手を出して、それが止められなくなってしまう状態のことを言います。
人間の欲望は恐ろしいものです。私もハマりかけました。
レンズ沼にはまる

しかし、本来の趣味としての写真の楽しみを見つめ直したら、その沼から這い上がることができました(笑)
撮影目的も吟味せずに高価なレンズを買いそろえても、趣味としての満足感はその値段ほどには得られないですよ。
皆さん、レンズ沼にはくれぐれもご注意を!