中高年が持つべき登山用カメラの条件

山でカメラを構える男性

「インスタ映え」という言葉が流行りましたが、写真が個人だけの楽しみからSNSなどを通じて共有の楽しみに広がってきたことで、様々なシチュエーションでカメラが活躍しています。

登山をしていても、最近ではカメラを持って登っている人が多いことに気付きます。

このページでは、中高年にとって登山用のカメラはどのような基準で選ぶべきか、私の経験をもとにお話ししたいと思います。

 

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中高年におすすめする登山用カメラの条件

とにかくコンパクトなもの

コンパクトデジカメ

ただでさえ身体的負担を伴う中高年の登山。無意味に重い物は持って行くべきではないです。

いちいち撮影の度に重いザックを降ろしてカメラを取り出し、撮影後はまたザックにしまって、ザックを「よいしょ」と担ぐ。そんなことを繰り返していたら、本来の登山の楽しみが失せてしまいます。
絶好のシャッターチャンスを見逃してしまったり、挙句の果てはおっくうになって写真を撮らなくなったりと、これでは本末転倒です。

また、最近では高画質でスタイリッシュかつコンパクトがうたい文句のミラーレス一眼が流行りですが、あのレンズの出っ張りはとても邪魔になるものです。

私のおすすめは、未使用時にはレンズが引っ込む沈胴式のコンパクトカメラです。
もともとレンズが飛び出さない平面的なカメラもありますが、レンズ性能から考えると沈胴式が理想です。
他の部分も極力デコボコしておらず、角部分も丸みを帯びたカメラも、バッグ等から取り出す時にひっかりがなくてグッドですね。
小さなウエストポーチに収納して、いつでもサッと取り出して「パシャッ」、これですね。
私はこの方法に変更してから、格段にお気に入り写真が増えました。

カメラ用ウエストポーチ
(ウエストポーチを腰にぶらさげて)

カメラ用チェストポーチ
(ショルダーハーネスに取り付けて)

壊れにくいもの

山の天候は急変します。
天候の変化に対応するために、防塵・防滴構造が理想なんですが、なかなか他の条件も満たすようなものは少ないと思います。

せめてマグネシウム合金などボディ素材が堅牢でしっかりしているものを選択し、天候の急変時にはナイロン袋等でしっかりと密封し、写真撮影はあきらめることですね。

画質の良いもの

これは、改めて言わなくても当たり前のことですが、では、「良い画質とは何か」です。

よく言われる基準に画素数がありますが、私は画素数は関係ないと思っています。

イメージセンサー

最近のデジカメは、安物でも1500万画素以上はあります。
パソコン画面に表示するだけなら、200万画素もあれば十分で、A3用紙に印刷する場合でも最低1000万画素といわれています。したがって、画素数だけの基準でいえば、よほど大伸ばしで印刷しない限り、どのカメラでも基準を満たしているといえます。

重要なのは画素数ではなく、どれだけ階調豊かでダイナミックレンジが広く鮮明な画像が保存できるかということです。
階調とダイナミックレンジの解説

一般的には、1個1個の撮像素子の受光量が多いほど(=撮像素子の面積が大きいほど)、階調性が高く鮮明な画像が得られます。
そういうことは、同サイズの撮像素子なら、画素数が少ない方が画質には有利だということになります。

また、受光量が多くなれば、光量が少ない暗い環境にも適応しやすいということにもなります。

一方、高画素数の利点は、被写体の精細な部分まで描写できることと、後でトリミングして切り取りやすいということがありますが、こと風景写真に関しては、画素数よりも、ダイナミックレンジの広さ、階調の豊かさの方を私は優先します。

その他、画質にはカメラ内の現像性能など様々な条件が関わってきますが、極端に言えば、「撮像素子が大きくて、かつ無駄に画素数の多過ぎないカメラを選びましょう」ということです。

液晶画面の視認性のよいもの

屋外に置かれたデジカメ

山の上は街中より紫外線が強く眩しいので、液晶画面が暗いと、撮影しようにも液晶に何が写っているか確認しづらくなります。

一眼レフなどファインダーで確認できるカメラなら周囲の明るさは関係ないのですが、ファインダーのないカメラでは液晶画面に映る画像が命です。

周囲が明るくても視認性に優れた液晶画面のカメラを選択しましょう。

バリアングル式・チルト式の液晶モニターが便利

バリアングル液晶

上下左右に自由に動かせる液晶画面をバリアングル式液晶といい、上下のみに動かせるチルト式液晶といいます。
これが備わっているカメラとそうでないカメラとでは、操作性が断然違ってきます。

山野草や昆虫などの近接撮影に有利

チルト式液晶モニター

山中では、高山植物や昆虫などをみつけては写真に収めたくなるものです。
こうした被写体は足元の低い位置にあることが多いので、かがんだり這いつくばったりする必要がありますが、そういったときに、バリアングル液晶なら、液晶を上に向けてカメラだけを地面すれすれに降ろしてシャッターを切ることができます。

自撮りが簡単

デジカメで自撮り

自分の顔にレンズを向けたまま、液晶画面を上下又は左右にに180度回転させて画面で確認しながら自撮りができます。
山中では自分一人になることも多いので、ちょっとした記念写真を撮るときなど便利です。

マクロ撮影が得意な機種を

駒草

高山植物などを印象的に撮影するためには、マクロ撮影が欠かせません。

マクロ撮影の基本は、小さな被写体をできるだけアップし、周囲をぼかして被写体を浮き上がらせて撮るテクニックが必要です。

被写体をアップして撮るためには最短撮影距離ができるだけ短いカメラを選べばいいことですが、被写体をきれいにぼかすことのできるカメラはそう多くはありません。
F値が小さいレンズ(=口径が大きく明るいレンズ)がボケに強く、また、撮像素子のサイズが大きいほど有利です。
大口径レンズと大きな撮像素子は一眼レフの得意とするところですが、コンパクトデジカメでもこの基準で選べば、ある程度はきれいなボケを実現できます。

(なお、撮影テクニックとしては、できるだけズームレンズの場合はできるだけ望遠側にして、できるだけ近づいて、できるだけ絞りを開放にして撮れば、前後のボケ方が大きくなります。)

 

その他に便利な機能としては、私は、カメラに備わっているネットワーク機能(Wi-fi機能)を利用して、撮った画像をすぐにスマートフォンに送ってSNSに投稿して家族や友人に見せています。
スマートフォンでいろいろと遠隔操作ができ、シャッターもスマートフォンで切れるので、1人の登山では何かと便利ですね。

 

まとめ

上記の選択基準を参考にしていただいて、それぞれの登山スタイルを加味して、自分に最適なカメラが見つかるといいですね。

私は、特定の機種のおすすめはしませんが、私の愛用カメラを紹介しておきます。
古いカメラですが、たいへん気に入っているカメラです。

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いつまでも活き活きと楽しい登山ライフをエンジョイするために、軽くて高性能のコンパクトカメラをお供にして、登山も写真も思い切り謳歌しましょう!