「私は体力がないから、登山は無理だ」
「登山は危険なので嫌い」
高齢者になればなるほど、このような言葉を耳にします。
しかし、登山の楽しみ方もいろいろあって、自分のレベルに合った楽しみ方があります。
やり方さえ間違えなければ、高齢者にとっても登山は決して危険なものではなく、安全で楽しいものです。
私は若い頃から自然に親しむこと、特に山登りが好きでした。
そして、50歳を過ぎて、本格的な登山も楽しむようになりました。
ここでは、私のこれまでの登山体験から、「中高年こそ登山の趣味を」の理由をお伝えしようと思います。
中高年の登山のメリット
高低差が絶好の体力づくりに
坂を登ることは、足腰の筋力強化やの心肺機能の強化にはとても有効な運動です。
これは、日頃の散歩やジョギングなどでは、なかなか十分に鍛えられないものです。
年齢に合わせてゆっくりと登っても相当の効果があるので、中高年にとっては絶好の体力づくりの手段と言えます。
絶景に心が癒される
山に登ると、素晴らしい眺望が待っています。
眼下に広がる雲海、朝日や夕日に染まる山の峰々、頂上からの360度の大パノラマと、日常では味わうことのできない素晴らしい眺めが体験できます。
いくら疲れていても、この感動があるからこそ、「また山に登りたい」と思うのです。
この大自然から受ける心の癒しは、他のどんなものにも代えることができません。
非日常感が楽しい
特にテント泊を経験すると、サバイバル的な非日常生活を味わうことができます。
不便極まりないこの体験が、何故かとても楽しいんですね。
私は特に山の夜が大好きです。
周囲に人工的な光がないので、恐ろしいほどの満点の星空が迫ってきます。
そして、静寂な夜の山中に身を置くと、日常のストレスを忘れさせてくれます。
登山には他にも語りつくせない魅力がたくさんあるのですが、デメリットもあります。
特に中高年にとってのデメリットはしっかりと押さえておかなければなりません。
中高年にとっての登山のデメリット
トイレに困る
大自然の中なので、山小屋以外にはトイレはありません。
特に私たち中高年は、長時間トイレを我慢できない人が多く、私もその一人です。
運動に伴う尿漏れの心配がある人も少なくないと思います。
それで水分補給を制限していたら、脱水症状や熱中症になり、それこそ危険です。
私は、山小屋も存在しないマイナーな登山ルートを登ることが多いのですが、途中でトイレに行きたくなった時は、誰も立ち入らない茂みなどに入って用を足すことがあります。
環境面や衛生面で良くないことだと思いますが、仕方ありません。
でも、女性ならそれもなかなかできないでしょう。
トイレ対策には頭を悩ませますが、私のこれまでの経験では、途中でトイレに行きたくなったことはほとんどありません。
汗となって水分が身体から放出され続けているので、水分を多量に摂取していても、なかなか尿としては溜まらないのでしょうね。
突発的なケガの不安
歩きなれていない登山道には偶発的なケガが心配です。
私も、途中で足を滑らせて転んでしまうことも多いのですが、この歳になると、快調に歩いていても、急に膝痛に襲われることがあります。
こうした突発的なケガに対応できるよう、万全な準備をしておかなければなりません。
そのために私が気をつけているのは、自分に合った登山靴、ストックの活用、入念な準備運動、歩き方の会得です。
歳を重ねるにつれ、徐々に体力不足を感じるようになってきました。それでも不思議と登山は若い頃と同じように楽しむことができています。それは、自然と年齢に合った登山の仕方を身に付けてきたからなのだと思います。そこで、体力も[…]
野生動物に遭遇する危険性
野生動物、特にクマやイノシシの被害に遭う可能性はゼロではありません。
私は、クマやイノシシに遭遇したことはありませんが、護身用に常に熊鈴を2個ぶら下げて登山をしています。
クマもイノシシも人間がいるとわかって向うから近づいてくることはありません。
ばったり出合うから攻撃してくるのです。
だから、人間の存在を知らせる意味で、音の出るものを携行することが大切です。
しかし、それも万全な対策ではないので、事前に情報収集して、クマヤイノシシの出没しそうな場所には絶対に行かないことです。
以上、登山のメリットとデメリットについてお話しました。
デメリットは日頃の対策を十分にしておけば解消できるものです。
特に、登山は手つかずの自然が相手ですので、甘く見てしまうととても危険です。
自分の体力レベルや登山技術を認識したうえで、無理をせずに安全な登山を心がければ、中高年にこそ登山は理想の趣味になると確信しています。
では、皆さんも素晴らしい登山ライフを!