雪山登山は夏山よりも断然快適

私の登山シーズンは冬です。

一般的に登山シーズンと言えば、春に始まり秋に終わると思っている中高年の方が多いのではないかと思います。
「雪が積もり始めたらシーズンは終了」と言って、こたつで丸くなっているのでは?

しかし、本当は、積雪期の登山の方が楽しく快適なんです。

雪山の稜線

「雪山」といえば、技術と経験と装備を有する一部のアルピニスト達だけが足を踏み入れることができるものだと思われがちですが、何も地吹雪が荒れ狂うような3000m級の酷寒の山をピッケルとアイゼンを頼りに突き進むことだけが雪山登山の楽しみではありません。

山や雪の状態や天候を吟味してしっかりと計画することで、雪山は私たち中高年でも、夏山にも勝る快適な登山を提供してくれます。

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無雪期と比べて雪山が快適な理由

無雪期の山の登山ではいろいろと苦労していたことも、雪山では難なく楽しむことができます。

素晴らしい景色

何といっても、一面の雪景色に圧倒されます。

真っ青な空と雪の樹林

また、木々への着雪や樹氷がとてもロマンティックなデコレーションとなって、私たちの目を楽しませてくれます。
さらに、晴天のときは、空の青と雪の白とのコントラストがとても鮮やかです。
また、冬は空気が澄んでいるため、どこまでも遠くまで透き通った景色が堪能できます。
こんな素晴らしい景色は、夏山で体感することは不可能です。

膝や腰への負担が少ない

雪山では岩のゴツゴツとした起伏を雪が優しく覆ってくれて、また、雪の上はとても柔らかいので、長時間歩いても足へのダメージが少なくて済みます。
足腰に不安を抱えている私たち中高年以上の登山者には、とても有難いことです。

山全体が登山道

林間についた雪のトレース

いったん山全体が深雪で覆われたしまえば、山の斜面のどこでも歩くことができます。
夏には踏み入れることができなかった場所へも行くことができて、新たな発見が期待できます。

熱中症・脱水症の心配がない

冬は、体温上昇が抑えられ、真夏のようにしたたるような汗もかかないので、熱中症や脱水症状になることは、まずありません。

害獣・害虫がいない

夏はどこの山でも多くの小虫がまとわりついて、とても不快です。
また、常にクマやイノシシなどの害獣に遭遇する危険もあります。
特に最近は、クマが里山や市街地まで降りてきて人間に危害を加えることが多くなったので、いつもヒヤヒヤしながら登山しています。
しかし、雪山ではそんな不安や不快感とは無縁です。

シューズが汚れない

夏山では、登山後にドロドロになったシューズを手入れするのが大変なのですが、雪山では全く汚れません。
それどころか、雪や氷がシューズにこびりついた汚れを除去してくれます。
なので、私は、雪山に行くときは、わざと汚れたシューズを履いて雪に洗濯してもらっています。(笑)

快適な雪山登山のために注意すべきこと

私たち中高年が快適に雪山を楽しむために、気を付けておかなければならないことをお話しします。

難易度の高い山には行かない

アイスクライミングを楽しむ人

私たちのような中高年の一般登山者は、3000m級の酷寒の山や切り立った稜線や急登が続く山に登ることは避けなければなりません。
特に標高の高い山の稜線では、下界では考えられないような突風が吹いています。冬期の登山では、気温が低いことよりも風が強いことのほうが身体に与えるダメージが大きく、強風にさらされれば体感温度は急激に低下します。
また、稜線では悪天候や地吹雪などでホワイトアウト状態になることが多く、道迷いによる遭難の危険性が増大します。

私は、雪山は標高2000mまでの山にしか行きません。それも、登山用スノーシューで歩けるような、あまり急峻でないルートを選んで楽しんでいます。

メジャーなルートを

誰も立ち入ることのない山域や、マイナールートやバリエーションルートに行くことは避けるべきです。
雪山が快適と言っても、冬の厳しい気候の中であることには変わりないですし、冬季は天候が悪化しやすいので、体調不良や不慮の事故に遭遇したときなど、周辺に他の登山者がいないような場所だと命取りになることもあり得ます。
どうしても他の登山者が少ない山へ行く場合は、ソロ登山は慎むべきでしょう。

雪山を登る登山者

安定した天候のときに

私が雪山登山を計画するときは、必ず冬型の気圧配置が緩んで高気圧が張り出した安定した天気の日に計画するようにしています。

雪の穂高連峰

前述しましたが、特に風の強い日には計画しません。下界ではそんなに風が吹いていなくても、山の上では必ず風が吹いています。少しの風でも体温が奪われ、暴風の中では、低体温症や凍傷になる危険性があります。
たとえ晴れていなくても、雪が降っていても、風さえなければ、それなりに雪山を楽しむことができます。

装備はしっかりと

雪山では、無雪期とは違った特別の装備が必要です。

ウェアリング

雪山では、防寒を目的とした装備はもちろんのこと、逆に汗を上手にコントロールできるようなウェアリングが必要です。

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紫外線対策

晴天の雪山では、雪面の照り返しが強いことから、夏季以上にもまして紫外線を浴びることになります。
ゴーグル、サングラス、日焼け止めなど、夏季以上の対策が求められます。

道迷い対策

雪山では、先行者のトレースがなければ、どこが登山道かわかりません。また、しっかりとトレースがついていても、降雪や風の影響で、下山時にはトレースがなくなっていたということもしばしば経験します。
さらに、ホワイトアウト状態にでもなれば、自分の現在位置がわからなくなてしまいます。
ホワイトアウト状態の雪山

私は、そのために、お守りとして必ずGPS受信機を持ち歩いています。愛用の機器はコンパクトで性能の良いGARMINのeTrex30xという機器です。GPSを過信してはいけないですが、この文明機器のおかげで、いつも道迷いをせずに快適な登山を楽しませてもらっています。

滑落・雪崩対策

私は、そもそも滑落したら身体にダメージを与えるような地形のルートを選びません。
雪が柔らかくて、斜度もそんなにきつくない場所を歩いているので、斜面で足を滑らせたとしても、怪我をすることもなく、また這い上がることも可能です。

気を付けなければならないのは、稜線上の雪庇です。
稜線にできた雪庇
誤って雪庇を踏めば、滑落はまぬかれません。
稜線の上からは雪庇の状況がわかりにくいので、必ず雪庇のない風下側(南東側)を歩くことにしています。

雪崩の危険性も注意です。
雪崩が起きている様子
雪崩の起きやすい斜度(30 度から 50 度)の雪面には行かないことですが、ルート上どうしても通過しなければならない場合は、必ずビーコンを準備して、他の登山者と共同して静かに通過することを心がけています。

おわりに

一度雪山の楽しさを味わったら、離れられなくなりますよ。
私は、いつも冬が来るのを待ち焦がれています。
だって、夏山は汗だれでヘトヘトになり、やっかいな小虫と闘い、岩につまずき、とても不快ですから(^^ゞ

雪山の素晴らしさは以前にも投稿していますので、よかったらご参照ください。

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