テント泊の登山は魅力がいっぱい

雪山をバックにテント3張り

私は、40歳を過ぎてから登山の魅力に目覚め、50歳を過ぎてからテント泊の魅力の虜になりました。

テント泊に必要な装備をバックパックに詰めると、相当な重量になります。それを担いで急な山道を登るので、高齢者の域に差し掛かっている私の身体には、とてもこたえます。
しかし、それでもテント泊を愛してやまないのは、苦労をしてでも味わえる大きな魅力があるからです。

それでは、私が肌で体験したことで感じている数々の魅力をお伝えしたいと思います。

 

 

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テント泊の魅力

テント泊の一番の魅力は、何といっても非日常感を体験できることでしょう。

サバイバル体験がとても楽しい

テント場でくつろぐ登山者

大自然の中で、極力文明の助けを借りずに、独力で居住空間を設営し、独力で食事の準備をする。この疑似サバイバル体験が、いろいろな刺激を与えてくれて、それがとても楽しいです。
また、テント生活をすることで得ることができた装備や生活術は、災害のときにも役立つことが多いです。

日の出や日没時の景色が素晴らしい

よく登山者の間で「アーベンロートがきれいだった」とか「モルゲンロートに圧倒された」なんてことを耳にします。
アーベン(Abend)は朝、モルゲン(Morgen)は夕方、ロート(rot)は赤を意味するドイツ語です。
日の出前や夕暮れ時に周囲の高山の山肌が徐々に赤色に染まっていく情景を表現した言葉です。
モルゲンロート
標高の高い山の頂上から徐々に赤い光が射していき、そして時間とともにその光の帯が徐々に下方へと降りていくその情景は、とても神秘的で心を揺さぶられます。

また、徐々に明けていく空や徐々に暗くなっていく空を眺めていると、とても清々しい気持ちになります。

さらに、放射冷却で晴れた早朝にしか見ることのできない壮大な雲海は、異次元の世界に引き込まれそうな感動をもたらしてくれます。
西穂高から眺める雲海
(2012.8.25 西穂高独標付近にて)

こうした感動的な景色は、山小屋に泊まっていても見ることができるのですが、山を身近に感じながら眺めることができるテント泊なら、その感動も格別です。

満点の星空に吸い込まれそう

下界の光の届かない山中では、新月の晴れた夜には恐ろしいほどの満天の星空に出会うことができます。
天の川や空一面にちりばめられた星の数々に圧倒されます。
テントを張って暗い中で生活することにより、眼が微かな光にも順応できる状態になっていることも、この感動を増幅させてくれます。
テント越しの星空

私は、テント泊の夜は眠りにつくのがもったいなくて、いつも飽きもせず延々と星空を眺めています。

また、下界の街並みが見える場所なら、街の夜景を眺めるのもいいですね。
活動的な街の夜の情景なのですが、雑踏の音は全く聞こえません。
静かな大自然の中で無音の街の光を眺めていると、星の瞬きに似てとてもロマンチックな気分になります。

静かな夜の非日常感

テントと満月

夜にテント内で過ごしていると、時々テントを叩く風の音以外には何も聞こえてきません。
特に私の場合はソロ登山なので、他に会話する人もなく、ただひとり大自然の静寂の中で身をゆだねていると、日常の疲れを一気にリセットすることができます。
エアコンもテレビもないですが、静寂と共にゆっくりと時間が過ぎていく、これが何物にも代えがたい贅沢な時間なのです。

山との距離感がとても近い

夜のテントでくつろぐ

テントでの生活は、食事をするときも、仮眠をとるときも、常に大地と接しています。
山との距離感の近さは、山小屋では絶対に味わうことのできないテント泊だけの特権です。
この距離感の近さが、自然と同化して純粋な気持ちで登山を楽しむことができる一番の理由です。

山男になった優越感

登山者

私の登山歴では、まだまだ初心者の域を脱していないと思っていますが、テント泊をしていると、ただそれだけで「俺は山を愛するいっぱしの登山者だ!」といった優越感に浸れることができます。
まあ、それがどうしたと言われればそれまでですが、この優越感が、登山を楽しむ気持ちを増幅させてくれています。
テント泊をしていると、常にアドレナリンが出っぱなしですね(笑)

 

その他の魅力として、自炊が楽しいという人もいるでしょう。
私の場合は、調理する時間も惜しんで山を眺めていたい派です。
なので、簡単に調理できる食材ばかりを選んで、あまり凝った料理はしません。(^^ゞ

また、山小屋と違って、一度装備を揃えてしまえば、安く宿泊登山ができるというのも魅力のひとつですね。

 

さあ、テント泊の魅力を知ったら、次は実践してみましょう。そうすれば、あなたもきっとテント泊の虜になることでしょう。