テント泊の必需品と言えば、真っ先に浮かぶものは、テント、シュラフ、調理器具、食材ですね。
ここでは、私が経験して気が付いた隠れた必需品を挙げてみました。
登山愛好者なら知っていることばかりだと思いますが、初心者向けとしてお読みいただければと思います。
テント泊の隠れた必需品
グランドシート
グランドシートとは、テントの下に敷くカーペットのようなものです。
次のようなメリットがあります。
② 地面からテント内への湿気の浸透を防いでくれます。
③ 撤収時にテント本体が汚れずに収納できます。
④ 撤収時の荷物の仮置き場として便利です。
テントのオプションとしてメーカーから販売されている物があれば、テントにフィットして安心です。
グランドシートはとてもコンパクトで、荷物にならないので、絶対に持って行くべきですよ。
ハンマー
テントを固定するためのペグを打ち付けるときに必要ですが、私はよく忘れるので、隠れた必需品としました。(^^ゞ
大きく重い物は必要ありません。
私は、先端が樹脂製の軽くてコンパクトなハンマーを持って行きます。
小さいので少々打ち込みにくいですが、困ったことはありません。
登山者仲間では、ハンマーなど持って行かず、大き目の石を探してきて、それでペグを打ち付けるという方も多いですが、周辺に適当な石が見つからない場合はちょっと困りますね。
細引き(細めのロープ)
細引きは、テントを固定するためだけでなく、いろいろな局面で重宝します。
次のような使い方ができます。
② テント内で濡れた衣服などを乾かす時の洗濯ロープ代わりに
③ 登山靴の靴紐が切れた時やソールがはがれた時の応急処置に
まだまだ使い勝手があるので、長めの細引きを持って行きましょう。
自在金具
自在金具は、テントやタープなどの張り綱のテンションを調節するために使います。
使用方法は、こちらのサイトを参考にしてください。
小さくてもスグレモノ!
とても便利ですので、私は、いつも小袋に10個程度入れています。
シュラフカバー
シュラフカバーは、シュラフ用のレインコートのようなもので、防水透湿性の素材でできており、結露などの水分からシュラフが濡れるのを防ぎ、保温力を維持してくれます。
高山のテント泊では、結露でテント内部がびしょびしょになるほど濡れることがあります。
シュラフが濡れると、ダウンが膨らまなくなり、保温力が急激に落ちるので、シュラフカバーがあると安心です。
シュラフマット
シュラフマットは、シュラフと床の間に敷くもので、夜の睡眠の質を左右する重要なアイテムです。
地面はとても固く、ゴツゴツしている場合も多いので、マットがないと、とても寝心地が悪いです。
また、地面の冷たさが直接伝わってくるため、高山では寒さが助長されます。
シュラフマットには、折り畳み式の銀マット(クローズドセルマット)と空気式のエアーマットがあります。
私は、エアーマットをおすすめしています。
一番の理由は、空気を抜いた状態で収納するので、とてもコンパクトです。
また、ふくらませば、ソフトな感触が快適で、空気の入れ具合によって弾力性を変えることができます。
唯一のデメリットは、空気を入れなければいけないことですが、山の夜は長いので、テント生活を楽しみながらゆっくりと時間をかけてふくらませていけば、とくに疲れることもありません。
速乾タオル
タオルの効用は、登山中に汗を拭くことだけでなく
① テント内の結露対策
② テント撤収前に、フライシートを拭いて乾かしておくため
③ テント内で、水や食べ物をこぼしたり、クッカーが吹きこぼれたりしたときの処置
④ 雨天時、テントに入る前のレインウェアの水滴取り
などに必要です。
そして、登山時は、一般の綿タオルではなく、速乾タオルを推奨します。
速乾タオルを推奨する理由は、
① 軽量&コンパクトでかさばらない
② 濡れても、絞ればすぐに吸水力が戻る
③ 乾きが早い
普通のタオルだと、いったん水分を含んだら、絞っても濡れたままで、吸水力が落ちます。しかし、速乾タオルだと、十分乾いていなくてもサラッとしていて、どんどん水を吸収してくれます。
サンダル
テント内で生活していると、トイレや炊事で外に出るために、いちいち登山靴を履くのはとても面倒だし、不快です。
そこで、サンダルが重宝します。
テント場の中を歩くだけなので、薄っぺらで簡易なもので十分です。
私は、いつもサンダルを布袋に入れて、バックパックの外に括りつけています。
アタックザック
テント場を拠点にして山の頂上を目指すようなベースキャンプ型のテント泊の場合に特に必要なアイテムですが、テントから離れて少し周辺を散策するときにも役に立ちます。
折りたたむと片手に収まるくらいにコンパクトになるものが多く売れています。
そんなに荷物の邪魔にならないので、ぜひ携帯しましょう。
ちなみに私は、ライペンのライズパック 20を愛用しています。
ライター
調理用のバーナーは自動着火方式になっているものが多いですが、高所、低温で機能しないこともあるので、万が一のために必ずライターを持って行きましょう。
また、調理時だけでなく、寒い中で急にビバークすることになったときに、暖を取るために焚火を起こすこともできます(山の中は焚火禁止ですが、低体温症など生命の危険を感じる場合は仕方ないと思います)。
各メーカーから登山用の着火装置が売られていますが、私は、普通の使い捨ての100円ライターで十分だと思います。
間違っても電子式のライターは持って行かないように。電子式は気圧・気温が下がると、電圧が下がって着火しなくなります。
ウエットティッシュ
ウエットティッシュは何かと重宝します。
① 食事前の手指の殺菌
② 食器の汚れを拭き取る
② 汗で汚れた身体を拭く
ウエットティッシュには、純粋タイプと除菌タイプ、アルコールタイプとノンアルコールタイプがあります。
それぞれ用途によって使い分けるべきですが、ノンアルコールで天然由来の除菌タイプが万能的でおすすめです。
また、大容量で嵩張るものを持って行くよりも、コンパクトで使い切りのタイプのものを数多く持って行った方が、ザックのポケットなどにも収納することができて便利だと思います。
胃腸薬
山の中で自炊をしていると、いろいろと衛生的に行き届かないことが多いです。
それに、日頃から食べ慣れていない食材や行動食を摂取するため、胃腸の調子を崩す危険性があります。
そのために、常に胃腸薬は準備しておきましょう。
ヘッドランプ(2個)
ヘッドランプは、夜間に行動するときに必要なものです。
それに加えて、テント泊ではランタン代わりにテント内を明るく照らしてくれて、とても重宝しています。
私は、登山用のランタンは嵩張るために持って行きません。
その代わりに、ヘッドランプのバンドをテントの天井に括り付けて、ランタンの代わりにしています。
ヘッドランプは、明るいスポット光とソフトなワイド光の切り替えができるものが多く、ワイド光にしておけば、テント全体をまんべんなく照らしてくれます。
電池タイプとバッテリータイプがありますが、私は電池タイプです。予備電池を持って行けば、万が一の時にも安心です。
ヘッドランプは必ず2個用意しておきます。1個は行動用で、もう1個はテント内のランタン代わりに使用します。
ヘッドランプが2個あれば、万が一片方が故障しても安心です。
南京錠
南京錠は、長時間テントを離れるときの盗難防止として、出入口のファスナーに施錠するために使います。
鍵式のものは登山中に鍵を紛失することがあるので、ダイヤル式がおすすめです。
その他の必需品について
テント
初めてテントを購入する場合は、コンパクトで扱いやすいものがいいですね。
中高年や初心者におすすめのファーストテントは、こちらで詳しく説明しています。
シュラフ
コンパクトで軽くて暖かいダウンのものがおすすめです。
スリーシーズンに対応した「最低使用温度」が-5℃~5℃くらいものがいいですね。
私はモンベル製のスリーシーズン用を愛用しています。
寒がりではないのですが、春先や紅葉時期のテント泊のときは、いつも寒くて震えています。
少しサイズが大きくなっても、1ランク温かめのものを選んだ方がよいと感じました。
ペグ
ペグは、テントやタープなどを風で飛ばされないように地面に固定する器具のことです。
ペグにはいろいろな材質や形状のものがありますが、軽くて丈夫で錆びないアルミ製のものがいいですね。
岩盤の上でテントを張らない限り、オールラウンドで使いやすいものが便利です。
ペグの種類や使い方については、下記のサイトで詳しく紹介されています。
テントの設営に欠かせない道具『ペグ』。何気なく使っているアイテムではありますが、その素材や形状は多種多様。地面の状態に応…
バーナー
調理器具のバーナーも、燃料や機能によって、いろいろなものが販売されています。
私は、ガスカートリッジに直接取り付けて使用する一体型のシングルバーナーを使っています。
クッカーやガスカートリッジなどと一緒に収納できるので、携行性に優れています。
私の愛用バーナーです。 ↓
初心者は、このタイプのバーナーとガスカートリッジが扱いやすくて、おすすめだと思います。
食材
私は、もっぱらフリーズド・ドライやレトルト食品が中心です。
登山は、ピクニックやハイキングのように、凝った食事を作って楽しむという目的ものではないと思っています。
食事は、あくまでも「行動食」としての位置づけでしかありません。
身体的に過酷な登山を楽しむために、いかに荷物の重量を減らして体力の消耗を減らし、行動食によっていかに早く体力を回復させるかが重要と考えています。
なので、手軽で栄養価の高い食材を選んでいます。
また、水分を多く含んでいて重く嵩張るような食材は持って行きません。
自然の中でゆっくりしたいので、食事にかける時間が惜しいんですね。
フリーズド・ドライやレトルト食品だと、湯を沸かして注ぐだけですから。(^^ゞ
また、最近のフリーズド・ドライやレトルト食品は、いろいろな種類が選べて、わりと豪華な食事が楽しめますよ。
私はまだ登山経験もテント泊経験も少ないのですが、「テント泊には絶対にこれを持っていった方がいいよ」というものがありましたら、コメントいただければ嬉しいです。